出産おぼえがき。


深夜2時ごろ、トイレに行ったら出血。お…しるし?と思って夫叩き起す。腹痛あり。夫は飛び起きるが「まだ、陣痛弱いから寝ていて」と寝かす。
だんだん痛みがインターバルに来て、5時ごろ病院へ。そして入院。


陣痛室では夫にもたれかかりながら痛みにこらえる。夫は睡魔にこらえる。痛みの合間でコックリとするが、またすぐに痛み。ねむいいたいねむいいたい。。。
夫に朝ごはんを買ってきてもらうも痛くて食べられず。


助産師さんが献身的に痛みを解放する術を行ってくれる。ありがたや。。お腹や背中を温めてくれたり、「気分が良くなるかも」と言ってアロマをたいてくれたりした。この助産師さん、前の検診で私の採血を3回失敗した方なのだけれど、その時キレたりしないでよかった…キレたら今、ぎくしゃくしてたにちがいない。。と痛みを耐えながら頭の遠いところで思ったりしていた。


あまりに痛いので助産師さんが手を握ってくれる。癒される。

夫も腰をマッサージしたり、痛みを逃がす呼吸法をリードしてくれたり、
お水を飲ませてくれたり、トイレに付き添ってくれたりする。
痛すぎて汗がめちゃくちゃ出て、汗がひいて体が冷えて、全身震える。
なぜか嘔吐連発。夫に「汚くてごめん…」「さすってくれてごめん」(けなげ!)というも「なんで謝るんだよ」とかなんとか。


先生が「疲れてるから、睡眠薬飲んで陣痛の合間に寝ましょう」と睡眠薬を飲む。
全然効かないんですが……。


昼ごろ、陣痛が弱まり、「体力持たないから促進剤打って早めに産みましょう」
と言われて、「おまかせします」という。
促進剤を打たれ、あまりの陣痛の痛さにさらに驚愕。
促進剤ってこんなに痛いんすか。


夕方5時、素敵な助産師さんが「私、5時であがりなんです…」とまさかの退社宣言。
え!行かないで!と思うも「引きとめても私が残業代払うわけではないし…サラリーマンなんて…!」ということをぼんやり考える。
夫はずっとマッサージしてくれる。


いよいよ分娩台に入る。
立ち合いに消極的だった私だけれど、夫がいてくれて心強いと心底思う。
陣痛促進剤がガンガン投入。もうやめてくらはい。。。


違う助産師さんが私のハラを押す。痛すぎて気絶しそうになる。
ここらへんで意識混濁。


ついに遠いところで産声。


「あ・・産まれた…やっと終わった……」(正直な感想)


しかも泣かなかった。


出血で全身が震えて意識が朦朧としてたので、なんというか、感情が消えていた。
遠いところで泣かない自分に関して「大丈夫なんかな…母として」と思った。

夫がなんか言ってた気がするけど、全然聞こえなかった。

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車いすで病室に入り、震えながらぼんやりする。
両親登場。お母ちゃん、私の状態に絶句。
お父ちゃんが「よく頑張った。えらいぞ」と言ってようやく涙がわんわん出てきた。なんて甘えな私。

次の日、こんこんと眠り続けた。


その夜夫が来て、病室のベッドで夫・娘・私の川の字で横たわった。
すやすやと眠る娘を見て夫がはらはらと泣いていて、私もはらはらと泣いた。
二人で「よかったね」と言った。